〔最大公約数と最小公倍数の性質〕3つの条件を満たす3つの自然数の組を求める問題:解説

問題

〔最大公約数と最小公倍数の性質〕次の(A),(B),(C)を満たす3つの自然数の組(a, b, c )をすべて求めよ。

ただし、 a<b<c とする。

(A) a, b, c の最大公約数は10

(B) b と c の最大公約数は20、最小公倍数は200

(C) a と b の最小公倍数は120

総評

最大公約数・最小公倍数のスタンダード問題です。

この問題を理解し、解けるようにしておいたら、最大公約数・最小公倍数については大丈夫です。

 

実は、解説を書いているうちに、一般的な解法よりもよい解法を思いつきました。

今回は、そちらを紹介します。(一般的な解法も、参考に下にのせておきます)

解説

(解説は黒字、解答として書くべきところは青字で示します。)

 

まず、順番に (A) の条件から、みてみましょう。

 

最大公約数が10ということから、これらの3つの自然数は10を因数に持つので、a=10a'、b=10b'、c=10c' とおきたいところですし、もちろんおけるのですが・・・やめておきましょう

 

3つあるので、「a', b', c' は互いに素である」とはいえません

 

例えばですが、b' と c' は10(=2×5)以外にも共通な素因数をもっているけど、a' だけはそれを持っていないので、最小公倍数が10という可能性もあります。

 

「a', b', c' は互いに素」・・・といえない以上、a=10a'、b=10b'、c=10c' とおいても、何も進みません。

ここで確認できるのは、「a, b, c とも素因数として2と5を少なくとも1つずつもつ」・・・ということです。

 

それをふまえ、次に (B) の条件をみてみましょう。

 

 

条件(B):上で考えたことが、正しいと確認できますね。

b と c の最小公倍数は、「20(=2²×5)」だということです。

 上でいうところの b' や c' には、素因数として、2がもう1つずつ含まれていたということです。

互いに素、とはいえませんね。(a には、素因数2が1つしか含まれていなかったので、3つの数の最大公約数は10(=2×5)だったということです。)

 

!!

 

ここで、ピッカ~ン・・・ひらめき~ング   ですね。

 

一見すると条件 (B) は、b と c についての情報です。(←b と c の最大公約数・最小公倍数が与えられているので、あたりまえですね・・・)

 

でも、ここにない「 a 」についても、重要な情報を含んでいて、それに気づけると速い・・・というタイプの問題なのかもしれません・・・

 

条件 (A) と (B) から、a は素因数として2を、1つしか持たない・・・と、判断できます。

 

(なんせ、一般的な解法では、a が素因数として2をいくつ持つかの検討で、けっこうたいへんなことをやりますからね、・・・ここで、a が持つ素因数2が1つだけと判断できれば、かなり楽です。)

 

b, c は、最大公約数と最小公倍数が与えられているので、それを満たす(b、c)の組はいくつか求められます。そして、その組の中で、a<b となるものを選んでいくことになります。

 

ですが、それはまだやめておきましょう。

a について大きな情報を得られましたので、先に a を決められるかもしれません。

その方向で考えてみましょう。

 

条件 (C) で、a と b の最小公倍数が120と与えられています。120を素因数分解すると・・・

 

120=2³×3×5

 

これからわかるのは、a は(b もですが)、素因数として2を最大で3つ、3を最大で1つ、5を最大で1つ持ち(注:これらの素因数は持たないこともあります)、その他の素因数は持っていないということです。

 

a について、このうち素因数2は1つ持っていることは確認しました。(b が素因数2を3つ(2³)持っていることになります。)

 

(A) から素因数5も持っていることも分かります。素因数5も1つです。(2つ以上持っていたら、最小公倍数も変わってきます。)

 

素因数3をもっているかどうかですが、これは条件(B)の b と c の最小公倍数200から・・・

   200=2³×5² より、

b は(c もですが)、素因数として2と5しか持ちません。

 

よって、a と b の最小公倍数が120(=2³×3×5)になるためには、a が素因数3を1つ持っている必要があります。

 

したがって、a は素因数2,3,5を1つずつ持つとわかりました。他に素因数は持ちえないので・・・

a=2×3×5=30・・・3つの条件を満たし得る a は、「30」の一つだけとわかりました。

 

ここまでの、解答をまとめてみましょう。a に集中した書き方になります。

ていねいに説明するつもりで書きましょう。(下の解答例より、もっとていねいに説明してもよいです。)

 

(青字は、実際の解答に書く内容です。)

 

(A) より a は10(=2×5)を約数に持つので、2と5を素因数として、少なくとも1つずつ持つ。

 

(B) より b と c の最大公約数は20であり 20=2²×5

a, b, c の最大公約数は (A) より 10=2×5

よって、a は素因数2を、ただ1つ持つ

 

(C) より a と b の最小公倍数は120であり 120=2³×3×5

よって、a は2,3,5以外に素因数は持たず、素因数2を1つ、また (A) より素因数5を1つ持つ。

 

また、(B) より b と c の最小公倍数は200であり 20=2³×5²

よって、b は2と5を素因数に持ち、3は素因数に持たない。

したがって、a は素因数3を1つ持つ。

 

ゆえに、a は素因数2,3,5を1つずつ持ち、それ以外の素因数は持たないので

a=2×3×5=30

 

(A)、(B)、(C) の3つの条件を満たし得る a は、a=30 である。

 

 

a が1つにしぼられたので、答えの自然数の組も1つになります。

次に、条件 (B) を使って、b と c を求めましょう。

 

ここは2数の最小公倍数なので、大丈夫です。

最初に出した「 '(ダッシュ)」のことは忘れて、ここで改めて b や c を表しましょう。

 

最小公倍数が20ということから、b=20b', c=20c' と表されます。

このとき、b' と c' は、互いに素です。共通する因数は、すべて最大公約数として表れているはずですからね。

(b が2³を因数に持っていることも分かっていますが、無理に使うこともないでしょう。) 

 

まず、ここまでまとめてみましょう。「互いに素」という情報は、絶対必要です。

また、b<c より「 b'<c' 」もいえます。この情報から答えをしぼっていくので、このことも書いておきましょう。(「0<b'<c'」という情報は、自然数という言葉を使うので、すでに説明できていることになります。)

 

 

条件(B)より、b と c の最大公約数は20なので    b=20b'、c=20c' と表される。

ただし、b'、c' は互いに素な自然数で、b<c より b'<c'

 

 

20b'=20×b' 、20c'=20×c' 、また、b' と c' は互いに素なので、b(=20b')と c(=20c')の最小公倍数は、 20b'c' となります。(これがよくわからない人は、反対向きの割り算で最小公倍数を出す方法で考えてみるとよいです。動画の方でも紹介します。)

 

その最小公倍数が200ということから、「20b'c'=200」という等式が立ちます。

両辺を20で割ると、「b'×c'=10」・・・b' と c' の積が10ということです。

 

b'、c' は自然数であり、b'<c' という条件もあるので、b'、c' の組はだいぶしぼられます。

また、b'、c' が決まれば、b、c も決まります(20倍するだけですからね)。

ここまで、まとめてみましょう。

 

 

また、最大公倍数が200であるので、20b'c'=200   すなわち b'c'=10

 

b'、c' は自然数であり、b'<c' であるので、これを満たす b'、c' の組は、

(b'、c')=(1,10)、(2,5)

 

したがって、(b、c)=(20、200)、(40、100)

 

ただし、a<b より、b=20は条件に適さない。 よって、(b、c)=(40、100)

 

 

まだ終わりじゃないですよ。もう少しです。

条件(B)と、条件(C)は、完全に使い切りました。

 

しかし、条件(A)は、a の素因数(の一部)を確認しただけです。

ましてや、b や c とは、まったくからんでいません。

 

本当に、a, b, c の最大公約数が10であることを、確認しておく必要があります。

 

でもこれは、30、40、100の最大公約数なので、明らかに10・・・ということでいいですね。

そこに触れて、答えの完成です。

 

 

30、40、100の最大公約数は10で、これは(A)を満たす。

以上より、   ( a ,  b ,  c )=(30,40、100)・・・答

 

 

 

 

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参考に以前の解説ものせておきます。

この解説を書いているときに、上記の解法を思いつきました。

 

うすうすは、一般的な解法は変じゃないのかな?・・・とは、思っていました。

そこまでやる必要が、あるのか?と

 

でも、権威ある参考書にのっている解法なので、参考にするべきなのかと・・・

最初から、直観に従えばよかったです。

参考)以前の解説

(解説は黒字、解答として書くべきところは青字で示します。)

 

まず、順番に(A)の条件から、みてみましょう。

 

最大公約数が10ということから、これらの3つの自然数は10を因数にもつので、a=10a'、b=10b'、c=10c' とおきたいところですし、もちろんおけるのですが・・・やめておきましょう

 

3つあるので、「a', b', c' は互いに素である」とはいえません

 

例えばですが、a' と b' に10(=2×5)以外にも共通な因数があり、c' はそれをもっていないので、最小公倍数が10という可能性もあります。

 

「a', b', c' は互いに素」・・・といえない以上、a=10a'、b=10b'、c=10c' とおいても、何も進みません。

(A)の条件は後回しにして、先に(B)の条件をみてみましょう。

 

 

条件(B):上で考えたことが、正しいと確認できますね。

b と c の最小公倍数は、「20(=2²×5)」だということです。

 

上でいうところの b' や c' には、素因数として、2がもう1つずつ含まれていたということです。

互いに、素とはいえませんね。(a には、素因数2が1つしか含まれていなかったので、3つの数の最大公約数は10(=2×5)だったということです。)

 

でも、ここでは2数の最小公倍数なので、大丈夫です。

先ほどの「 '(ダッシュ)」のことは忘れて、ここで改めて b や c を表しましょう。

 

最小公倍数が20ということから、b=20b', c=20c' と表されます。

このとき、b' と c' は、互いに素です。共通する因数は、すべて最大公約数として表れているはずですからね。

 

まず、ここまでまとめてみましょう。「互いに素」という情報は、絶対必要です。

また、b<c より「 b'<c' 」もいえます。この情報から答えをしぼっていくので、このことも書いておきましょう。(「0<b'<c'」という情報は、自然数という言葉を使うので、すでに説明できていることになります。)

 

(青字は、実際の解答に書く内容です。)

 

条件(B)より、b と c の最大公約数は20なので    b=20b'、c=20c' と表される。

ただし、b'、c' は互いに素な自然数で、b<c より b'<c'

 

 

20b'=20×b' 、20c'=20×c' 、また、b' と c' は互いに素なので、b(=20b')と c(=20c')の最小公倍数は、 20b'c' となります。(これがよくわからない人は、反対向きの割り算で最小公倍数を出す方法で考えてみるとよいです。動画の方でも紹介します。)

 

その最小公倍数が200ということから、「20b'c'=200」という等式が立ちます。

両辺を20で割ると、「b'×c'=10」・・・b' と c' の積が10ということです。

 

b'、c' は自然数であり、b'<c' という条件もあるので、b'、c' の組はだいぶしぼられます。

また、b'、c' が決まれば、b、c も決まります(20倍するだけですからね)。

ここまで、まとめてみましょう。

 

 

また、最大公倍数が200であるので、20b'c'=200   すなわち b'c'=10

 

b'、c' は自然数であり、b'<c' であるので、これを満たす b'、c' の組は、

(b'、c')=(1,10)、(2,5)

 

したがって、(b、c)=(20、200)、(40、100)

 

 

問題自体が「すべて求めなさい」なので、両方答えかもしれませんし、あるいは片方は条件を満たさないかもしれません。どちらにせよ、条件(B)でわかることは、これまでです。

条件(C)に移りましょう。

 

 

条件(C):背理法で、先に答えにめどを付けておきましょう。

bは20または40なので、順番に仮に b=20 としてみます。

 

条件(A)より、a は10の倍数であり、a<b という条件もあるので、a=10となります(10の倍数の中で20より小さいものは10だけです。)。でも、条件(C)では、a と b の最小公倍数は120とあるので矛盾ですね。

10と20の最小公倍数は「20」です。

 

よって、b は20ではないことがわかります。

 

ということで、(b、c)=(40,100)の組だけが答えになるだろうと判断できます。

 

ただし、上記の内容では、解答にはなりません

 

「(b、c)=(20,200)ではない」ことの説明にはなっていますが、だからといって、それが即・・・

「(b、c)=(40,100)である」・・・ことの説明には、なりませんよね。

 

どちらにせよ、「(b、c)=(40,100)」の場合、条件を満たす a があるかの検討をしなくてはいけません。ですので、「(b、c)=(20,200)」の場合も、背理法で無理に最初から消す必要はなく、同じように条件を満たす a があるかを検討していきましょう。

 

b は、20(=2²×5)または40(=2³×5)とわかっているので、最小公倍数120も素因数分解することによって、a にどのような素因数があるのかがわかり、a の値をしぼることができます。

 

120=2³×3×5

 

20も40も素因数に「3」をもっていないので、a が素因数「3」をもっていないと最小公倍数が120にはなりません。また、条件(A)より、a は10(=2×5)の倍数なので、2と5を素因数として持っていることがわかります。

 

a は素因数として、「3」と「5」を1つずつ持っていることは、確定です。(3と5を、2つ以上持っているとすると、最小公倍数は120より大きくなります。)

 

a が素因数の「2」をいくつ持っているか?・・・を考えないといけません。

条件(A):最大公約数は10(=2×5)という情報から、少なくても1つ

条件(C):最小公倍数は120(=2³×3×5)という情報から、最大で3つ

・・・ということまで、わかっています。

 

後は、b =20(=2²×5)の場合と、b=40(=2³×5)の場合で、場合分けして考える必要があります。

 

 

・・・と、思ってたのですが・・・

 

今、はじめて気づきました。そんなこともないですね。

条件(A)と条件(B)で、「a がもっている素因数2は、1つだけ」といえますね。先ほど確認しました。

今回は、これで解答してみましょう。

(とはいえ、「a が素因数2をいくつもっているかを、場合分けして考えていく解法の方が、一般的です。下でその解法も示します。)

 

それでは、解答をつくってみましょう。

順番としては、a が素因数3と5を1つずつ持つこと

素因数2も1つしか持たないこと・・・の順に説明していきましょう。

 

 

・・・と、思ったのですが・・・

 

 

だったら、最初から a を求めることに集中すればいいですね。素因数分解だけで、攻めていけます。

それが、上で紹介した解法です。 

 

なお、一般的な解法の続きも下にのせておきます。

たいへんなこと、やってますよ。


参考 一般的な解法

条件(B)より、b と c の最大公約数は20なので    b=20b'、c=20c' と表される。

ただし、b'、c' は互いに素な自然数で、b<c より b'<c'

 

また、最大公倍数が200であるので、20b'c'=200   すなわち b'c'=10

 

b'、c' は自然数であり、b'<c' であるので、これを満たす b'、c' の組は、

(b'、c')=(1,10)、(2,5)

 

したがって、(b、c)=(20、200)、(40、100)

 

・・・までの、続きにあたります。

a が素因数3と5を1つずつもっていることを確認してから、素因数2はいくつもっているかを場合分けして検討していきます。

 

 

(つづき)

後は、b =20(=2²×5)の場合と、b=40(=2³×5)の場合で、場合分けして考える必要があります。

 

〔1〕b =20(=2²×5)の場合から、みていきましょう。この場合、b は素因数として2を2つしか持っていません。ですので、a と b の最小公倍数が120(=2³×3×5)となるためには、a が素因数2を3つ持っている必要があります。

 

よって   a=2³×3×5 ・・・と、なります。

 

ところが、これを計算すると・・・a=8×3×5=120と、a が b(=20)より大きくなってしまいます。

a<b の条件に合いません。よって、b=20のパターンは、ない・・・ということができます。

 

 

ここまでの解答をまとめましょう。

 

条件(A)から、a が2と5を素因数として持っていることを先に確認し、120を素因数分解した形を示してから、場合分けすると書きやすいでしょう。

 

 

また、(A)より、a は2と5を素因数としてもつ。

 

また(C)より、a と b の最小公倍数は120であり、

   120=2³×3×5

 

ゆえに、

 

〔1〕b =20(=2²×5)のとき

   a と20の最小公倍数が120となるような a は   a=2³×3×5 であるが、

   これは、a=120となり、a<b を満たさない。

 

 

次に〔2〕b=40(=2³×5)の場合を考えます。

 

この場合、b に素因数2がすでに3個あるので、a には素因数2は何個でもいいです。条件(A)より、少なくとも1個とは確認しているので、「1個」、「2個」、「3個」のいずれかとなります。

 

これを、次のように書きます。

a<b となる p を考えればいいのですが、これは、p=1 のときだけですね。

p=2 のとき、2²×3×5=60、p=3 のとき、2³×3×5=120と、b(=40)より大きくなってしまいます。

 

解答では、最終的に p=1 のときだけを考えたいので、先に p=2 とp=3 を消しておきたいですね。

最初に、p=1, 2, 3 それぞれの場合を計算して消せばいいです。

 

解答の続きです。

 

 

〔2〕b =40(=2³×5)のとき   a と20の最小公倍数が120となるような a は

p=1 のとき、a=2×3×5=30

p=2 のとき、a=2²×3×5=60

p=3 のとき、a=2³×3×5=120

 

より、a<b を満たすのは、p=1 のときだけで、a=30 

 

 

まだ終わりじゃないですよ。もう少しです。

条件(B)と、条件(C)は、完全に使い切りました。

 

しかし、条件(A)は、a の素因数(の一部)を確認しただけです。

ましてや、b や c とは、まったくからんでいません。

 

本当に、a, b, c の最大公約数が10であることを、確認しておく必要があります。

 

でもこれは、30、40、100の最大公約数なので、明らかに10・・・ということでいいですね。

そこに触れて、答えの完成です。

 

 

30、40、100の最大公約数は10で、これは(A)を満たす。

以上より、   ( a ,  b ,  c )=(30,40、100)・・・答

 

 

こちらの方が、無難でいいかもしれませんね。